業務改善事例
医療ソーシャルワーカー(MSW)は、患者さまやご家族さまとの面談を通じて、退院後の生活や社会的な課題、利用できる制度など、さまざまな情報を整理します。
一方で、面談内容をカルテへ記録するためには、メモや文章作成にも時間が必要です。
グループ病院では、こうしたMSWの記録業務に音声AIを活用しました。
目指したのは、記録を早く終わらせることだけではありません。
記録に使っていた時間や注意を減らし、患者さまやご家族さまとの「対話そのもの」に、より集中できる環境をつくることです。
従来は、面談中にメモを取り、その内容を整理してからカルテ記録を作成していました。
そこで、インテークや家族面談、カンファレンスなどで得た情報を音声AIへ入力し、AIが内容を整理・要約してカルテ記録の原稿を作成する運用を取り入れました。
人が1から文章を組み立てるのではなく、AIが作成した原稿を確認・修正して記録へ活用する形です。
この取り組みにより、MSWのカルテ記録時間は約62%短縮しました。
今回の取り組みで重視しているのは、「何分短縮できたか」だけではありません。
患者さまやご家族さまとの面談では、話された内容だけでなく、表情の変化や話すときの間、言葉にしにくそうな様子なども、支援を考えるうえで重要な情報になることがあります。
面談中にメモを取ることへ意識を向けすぎると、目の前の相手への注意が途切れてしまうこともあります。
AIによって記録作成を支援することで、メモや文章作成に使っていた時間と注意を減らし、患者さまやご家族さまとの対話に、より集中できる環境づくりにつなげています。
今回、AIが支援しているのは、入力された情報の整理や文章化です。
一方で、
患者さまやご家族さまの話を聞く。
表情や反応を見る。
背景にある思いを考える。
必要な支援を判断する。
といった部分は、人が担う重要な役割です。
SDX研究所では、すべての業務をAIへ置き換えるのではなく、「AIに任せられる業務」と「人がより時間を使うべき業務」を整理することを重視しています。
AI活用の成果を、単なる時間短縮だけで捉えるのではなく、「生まれた時間を誰のために使えるようになったのか」まで考える。
記録する時間を減らし、相手の話を聞く時間へ。
SDX研究所では、AIによって生まれた時間を、人だからこそ担える業務へつなげるための業務改善を進めています。
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